サプリメントを飲めば必ず健康になれるか?

Tさんはエンジニアだった。
東京都心の大手電機メーカーで、
バリバリ働く30歳だった。

定期健康診断の結果で、
呼び出してきてもらった。
顔色はいたって健康だった。

何を言われるのだろうと少し緊張しながらも、
照れ笑いを浮かべながら、診察室に入ってきた。

従業員は、年に一回定期健康診断を受けることになっている。

その結果をもとに、
よい生活習慣の情報提供をするグループと、
呼び出して生活習慣について指導するグループと、
すぐに治療するように紹介状を書いて、
受診しないと働かせないぞと脅すグループに分けられる。

Tさんは、呼び出して指導するグループに該当した。
産業医は産業保健師と一緒に生活習慣を指導する。

PCで健診結果を呼び出して見てみる。

ん~肝機能異常があるね。
脂質も高い。

ASTとALTは100に届きそうだ。
中性脂肪は200超え!
総コレステロールも300近い!

検査値の説明はこちら(自宅検査キットの結果説明)

見た目は全然太っていないし、
どうしちゃったんだこれは?

ぼくはTさんに、
「肝機能異常と脂質異常があるね」
と説明し、尋ねた。

「食事はどうしてる?」
「外食は多いですけど、健康には気を付けてます」

確かに太ってはいないもんね。

「お酒はどうしている?」
「たまには飲みますが、毎日は飲みません」

「何か思い当たる節はない?」
「ないですね~」

「何か変なもの飲んでない?サプリとかは?」
「あ、飲んでます。EPAとDHA飲んでます!」

それだよ!

「健康になると聞いて、EPAとDHAを毎日飲んでます」
「ん~なら、それはやめてみようか。たぶんそのサプリのせいで肝臓やられてる」

次の年は、Tさんは要指導リストには上がってこなかった。

 

サプリメントは、
飲めば必ずいいことがありそうな宣伝をするけど、
Tさんのように害になることもある。

サプリメントは補充するものと言う意味。

不足しているから補充するわけで、
不足していない人にとっては多すぎるわけ。

だからTさんのようにならないためには、
まず不足しているかどうかをチェックすべきなのだ。

不足している栄養素をサプリメントで補う。
これはものすごく理にかなっている。

不足している栄養素をいつまで補うかと言うと、
不足が解消して充足するまでだ。
あとは食事でコントロールする。

これがサプリメントの正しい使い方。

サプリメントで余分な栄養補給をしないために、
栄養素が不足しているのかどうかを、
まずチェックする必要があるのだ。

栄養素が不足しているのかどうか、
確認せずにサプリメントを飲むということは、
暗闇の中を目隠しをしてやみくもに突き進む勇者と同じだ。
リスクを取りすぎだ。敵に出会えばいちころだ。

まず最初に現在地を確認したい。
そしてゴールを地図で確認したい。
さらに、たびたび位置を確認しながら進みたいものだ。