医者はストレスを取り除いてくれない

2018年2月24日

セリアック病は遺伝子要因とグルテンという環境と、
あと一つの要因が重ならないと発症しないと言われている。
グルテン敏感性で症状が出るのも同じと思う。

というのも、セリアック病に特徴的な、
グルテンに敏感な遺伝子型を持っている人はまれではない。

そして、小麦アレルギーで命が危ない人以外は、
小麦を食べないという人はほとんどいないだろう。

でも、セリアック病も含めグルテンに敏感な遺伝子型をもっていて、
小麦を食べている人が必ず腸や皮膚や神経を病んでいるわけではない。

発症にはもう一つの要因がある。

遺伝子要因とグルテンという環境要因以外の要因とは?

それが精神的ストレスである。
ストレスにうまく対処できないことが最後の要因だ。

ぼくの持論に「病(やまい)は気からは本当」がある。

この単純にして明快で、
あなたも感じたことがあるはずの
病は気から」を、
ぼくはずっと信じている。

疫学を専門にしたのも、
健康を保つ方法、病気にならない方法が知りたくてのこと。
その根底には病は気からがあって、
気が保たれてれば病にならないと思ったのだ。

病は気から」を証明したい、
これが病気にならない方法だ、
こう考えた。

ぼくの理解ではこの「気」は、
気力そして気分だ。

この「気」が落ち込むと、
病気になりやすいのだ。

たとえば、気が張っているときは風邪をひかないが、
ちょっと気が緩むと風邪をひくというのがある。

たとえば、いろいろ気に病むと、
胃のあたりが痛くなり、実は十二指腸潰瘍になっていた、
ということがある。

たとえば、緊張すると腸が活発になりすぎて、
トイレに駆け込むようになり、
結局、今度はいつもトイレの心配をしている、
過敏性腸症候群になってしまった、
ということもある。

たとえば、自分に自信がなく、
頑張っても頑張ってもできていない気がしていて、
申し訳ない気分がいっぱいになり、
そのうち、夜も眠れない、
食事もおいしくない、
ついには気力が出なくて、
ベッドから起き上がることすらできなくなり、
うつ病と診断される、
ということもある。

こんなふうに、気力、気分が関係して、
病気に発展することはいくらでもある。

グルテン敏感性に「気」は関係するのか?

グルテン敏感性も同じだ。

遺伝子要因があって、
グルテンがあっても、
気力が充実して気分が晴れやかなら、
グルテンに付け入る隙を与えない。
自己免疫が異常になることがない。

こう考える。

実際、緊張が続いていると、
交感神経という戦いに備える体の神経が興奮する。
そのとき免疫細胞のうち顆粒球(かりゅうきゅう)が増える。
この顆粒球が活発になりすぎると、
活性酸素が多く作られ体にダメージがある。

緊張状態が続き、
交感神経が高ぶり続けると、
体に悪いのはそのためだ。

体にダメージがあって、
顆粒球が跋扈(ばっこ)している状態では、
グルテンに付け入られてしまう。

顆粒球からの活性酸素で、
腸に炎症が起きている状態では、
グルテンがどんどん体内に入ってきてしまう。

そしてグルテンに抗体ができて、
グルテンに似た自分の体のパーツにも抗体ができてしまう。
実際にはグルテンを分解する酵素に対する抗体だ。

医者はストレスに対してどんなふうに対処するか?

あなたは腸の調子が悪いときにメンタルクリニックに行くだろうか?
あなたは皮膚が痛くてかゆいときにメンタルクリニックに行くだろうか?
あなたは手足がしびれているときにメンタルクリニックに行くだろうか?

答えはきっとNoだろう。

もしあなたが、
グルテン敏感性があって、
ストレスが理由の一つで症状が出ているとして、
内科や皮膚科、神経内科を受診して、
ストレスの問題が解決するだろうか?

ストレスを訴えたとしても、
「大変ですね~」
「あまり気に病まないでください」
「不安を和らげる薬を出しておきますね」
「よく眠れる薬を出しましょうか?」
というくらいだ。

これでは治らない。
なぜか?

治していないからだ。

ストレスによる体の不調を治す薬はない。
気を散らす薬はある。
気にしなくする薬はある。
鈍感にする薬はある。

しかし、治癒しない。

もちろん同情や共感でも治らない。

ストレスは、
薬でなんとかするものではない。
誰かがなんとかしてくれるものでもない。

あの人がこういわなければいい。
あの人がこうしなければいい。
あの人が、この状況が、
誰々が、何々がという他責の考えでは解決しない。
他人や状況はコントロールできないからだ。

コントロールできるのは自分だけだ。
変えられるのは自分だけだ。
自分の考え方と行動だけだ。

この自分の考え方を変える方法と行動が、
ストレスから自分を守ってくれるのだ。

たとえ強い精神的ストレスがあっても、
どうとらえるか、どう考えるか、
どう対処するか、どう行動するか、
すべて自分次第だ。
自分でどうするか考えて、自分で決めるのだ。

ストレスに対する訓練を自分でしなければだめだ。

ストレスに対する対処の仕方を間違えれば、
病は気からのスパイラルに入ってしまう。
グルテン敏感性も例外じゃない。

医者はストレスを取り除いてはくれない。
誰もストレスを取り除いてはくれないのだ。

ストレスがない状態はない。
ストレスをどうとらえるかが重要だ。

ストレスをどうとらえるかの
参考になることを教えてくれる医者はいる。
精神療法を行うメンタルクリニックのドクターだ。
公認心理師や臨床心理士、
いわゆるカウンセラーもいろいろ教えてくれる。

しかし、本当に身に着けるためには、
自分で納得して、理解して、訓練しなければならない。

ストレス対処法は自分で身に着けるものだ。
誰かに頼ったストレス対処法は自立できない。
新たなストレスに毎回誰かに頼っていたら
自分の人生を生きていないことになる。

自分だけではストレスに対処できないままでは、
病が起きてくるというわけだ。

まとめ

セリアック病やグルテン敏感性の発症には、
遺伝子要因とグルテンのほかに要因がある。
それがストレスと考える。

ストレスは誰かが何とかしてくれるものではない。
医者も、取り除いてくれたり、救ったりはしてくれない。
自分で対処法を学び、考え、訓練していくものだ。

ストレスの対処法を知らなかったり、間違ったりすると、
病は気からのスパイラルにおちいってしまう。
セリアック病やグルテン敏感性も例外ではない。