パン狂気を知っているか?Bread Madnessの歴史

1500年から1700年のヨーロッパ。
狂気は、魔術と関係していると考えられた。
パン狂気(Bread Madness)と言われた。

これは麦角(ばっかく)と言われるかびで汚染されてた、
ライ麦パンを食べたことによる。
精神依存を起こす薬物のLSDと同族の物質だ。

今から50年ほど前。
統合失調症は、米国ではパン狂気と呼ばれていた。
なぜかというと、
統合失調症の患者さんが小麦を食べるのをやめると、
症状が消えることがあったからだ。

その当時、
研究者の中には、
小麦グルテンが統合失調症の引き金を引いている、
もしくは統合失調症を悪くしている、
と想像している者もいた。

一般的に受け入れられたわけではなかったが、
エビデンスはあった。
エビデンスは科学的根拠ともいう。

精神的異常、神経的異常の患者さん、
たとえば統合失調症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、
うつ病、双極性障害などの患者さんは、
健常人に比べると、
小麦に対する抗体を持っている割合が多かった。

統合失調症の患者さんが、
穀物と乳製品をやめたら、
病状が良くなったが、
穀物と乳製品を再開したら、
再発したという研究がある。

乳製品の元、
牛乳に含まれるカゼインは、
グルテンに似ていて、
グルテン敏感性と似た反応を引き起こす。

20年ものあいだ、
統合失調症は生物学的な脳の病気であるという
エビデンスが積み重ねられてきた。

脳の画像診断技術によって、
統合失調症患者さんの脳のダメージを
映し出すことが可能になった。

そういう時代の流れの一方で、
統合失調症の患者さんは、
自閉症、その他のメンタルな病気と同様に、
セリアック病でなくても、
グルテンフリーの食事をすることで、
改善どころか回復すらする。

統合失調症の患者さんは、
セリアック病と診断できる抗体を
作っているわけではないが、
グルテンに対する炎症反応があることが
わかっている。

いくつか物議をかもしそうなエビデンスを挙げると、

・セリアック病と統合失調症は、
ざっくりいうと同じ割合存在するが、
統合失調症の患者さんのうち、
セリアック病の患者さんは多い。

・統合失調症の患者さんで、
小麦グルテンに対する抗体が高レベルの人は、
セリアック病の患者さんと同じような特徴を
有する。

・グリアジン以外の小麦タンパク質が、
統合失調症の患者さんでは、
自己免疫反応を引き起こしているかもしれない。
(セリアック病はグリアジンに対する免疫抗体)

人口の1%が統合失調症に悩まされている。

セリアック病と統合失調症との関連性は、
まだまだ研究が必要だ。

しかし、パン狂気は過去の遺物ではない。

小麦と統合失調症の関連性を疑わせるエビデンスは
多数あるということだ。

また、別の書籍だが、
鉄がうつ・パニックを救う話にあわせて、
統合失調症が治る話も出てくる。

高タンパク質、低糖質、鉄+ナイアシン
(ビタミンB群の一つ、ビタミンB3とも呼ばれる)
で治療すると、治る患者さんが出てくる。

統合失調症が治るのはホントにびっくりだ。

きちんと原因が突き止められれば、
不治の病と考えられている統合失調症も治るんだなと、
感慨深い。

 

ぼくの仮説は、こうだ。
統合失調症を患った人の中には、
グルテンもしくはその他小麦のタンパク質に敏感な人がいる。

その人は、小腸に炎症が起きて、
栄養素の吸収が悪くなる。
鉄やビタミンB群の吸収が悪くなる。

そこに持ってきて、糖質過多を続けると、
ビタミンB群はますます消費されて欠乏する。

鉄とビタミンB群が欠乏すると、
脳内の神経伝達物質の産生に支障をきたす。

GABA、ドーパミン、ノルアドレナリン、
セロトニン、メラトニンは、
鉄とビタミンB群が補因子・補酵素として働く、
酵素で作られるからだ。

こうやって鉄・ビタミンB群不足で、
統合失調症をきたしている患者さんがいるのではないか。

鉄・ビタミンB群不足が原因なら、
吸収を改善するためにグルテンをやめる、
ビタミン消費を減らすために糖質を減らす、
ビタミン・鉄摂取を多くするために、肉・魚をしっかり食べる、
必要に応じて鉄・ビタミンの補給をする。
その結果、統合失調症が治るのではないか。

こう考える。

どんどん悪くなる一方で障害になり廃人になるのが、
統合失調症だと思っていたから、
まさに青天の霹靂。目から鱗。

統合失調症は治る可能性があるのだ!